相続放棄のQ&A【生命保険・保証人・税金・家・離婚・遺族年金】

Fotolia_53100844_Subscription_Monthly_XXL_R遺産に借金があった場合に、相続放棄をするかしないかという判断をすることになると思います。

借金があるときに多くの人が疑問に持つことをまとめました。

  1. 生命保険金は相続の対象なの?
  2. 借金の保証人・連帯保証人は相続されるの?
  3. 税金の滞納も相続されるのか?
  4. 相続放棄をすると家はどうなるの?
  5. 消費者金融での借金は相続放棄しない方がいい!?
  6. 離婚している場合は相続放棄の必要なし?
  7. 相続放棄をしたいが遺族年金はどうなるの?

1.生命保険金は相続の対象なの?

ドラマや漫画の世界だと、借金を抱えている人が「生命保険のお金を使って借金を返済してくれ」みたいなシーンがありますよね。

これだとなんだか、生命保険金も遺産対象という印象を受けるかもしれませんが、生命保険金と遺産は別物です。

そもそも生命保険金は、相続という形でお金を受け取るのではなく、生命保険会社から受取人に対してお金が支払われるものです。

亡くなった人の遺産とは言えないので、仮に相続放棄した場合でも、生命保険のお金をもらうことができます。

 

もしも多額の借金がある場合には、わざわざ生命保険金で返済をする必要はないのです。

相続放棄をした上で生命保険金をもらうのが、一番お金が手元に残ることになりますね。

ちなみに生命保険を契約する際に受取人を決めると思いますが、その受取人にお金が渡ることになっています。

2.借金の保証人・連帯保証人は相続されるの?

亡くなった方は借金をしていなくても、保証人や連帯保証人になっているということがあります。

この場合、相続するとなると、保証人や連帯保証人の権利までくっついてきます。

もしも、子供2人が相続人の場合に、3000万円の借金の連帯保証人だったとすると、子供はそれぞれ1500万円ずつの借金に対して連帯保証人になることになります。

 

どうしても保証人や連帯保証人を相続したくないのであれば、相続放棄をするしかありません。

相続放棄をするときには、保証人・連帯保証人の権利だけでなく、貯金や土地などのプラスの遺産も相続を放棄することになるので、注意してください。

亡くなった方が連帯保証人になっていた場合には、その借金の金額、返済状況などを調べた上で、相続をするかしないかを決めましょう。

ただ借金の保証人や連帯保証人は借主が返済できなくなった時に、大きく影響してくる問題です。

なので、どんな人の借金の保証人・連帯保証人になったかをチェックすることをお勧めします。

3.税金の滞納も相続されるのか?

住民税などの税金を滞納したまま亡くなった場合、その税金も相続の対象になるのかと言いますと、相続の対象になります。

もしも未納の場合は、相続者が未納分を代わりに支払う必要があります。

 

ただ税金の未納だけでなく、他にも多額の借金を抱えていたという場合には、相続放棄をするといいでしょう。

相続放棄をすることで、未納の税金も支払う必要がなくなるので、安心してください。

 

たまに相続放棄をしても税金は支払わなくてはいけないと思っている人がいますが、それは自己破産と混ざっています。

自己破産の場合だと、破産をしても税金は免責の対象にならないので、税金を支払う必要がありますからね。

相続における税金の未納はあくまで他の人の借金なので、自分の借金の帳消しとは全く別物です。

相続放棄はかなり強力なもので、相続関係にあるものはすべて無効にできると思ってください。

>>借金があるときに相続放棄をするときの注意点とは?

4.相続放棄をすると家はどうなるの?いつまでに出ていかなければいけない?

家や土地などのプラスの遺産だけを相続することはできないので、多額の借金がある場合には、相続放棄をすることになると思います。

そうすると、家も当然手放すことになります。

しかし、手放すからと言ってすぐに出ていく必要はありません。

数か月はそのまま住み続けることができます。

相続した人もしくは国(誰も相続しなかった場合)に立ち退きの勧告をもらったら、さすがに出ていかなくてはいけませんが、それまではそこに住んでいても問題はありません。

どれくらいの期間住み続けられるかは、いつ家が売れるのかによっても変わってくるので一概には言えません。

 

借金がある場合に相続するかしないかは、総合的に判断する必要があるので、もしも家を手放したくない場合は、仮に住宅ローンを背負っても返済していけるかどうかというのも考えるようにしましょう。

無理な場合は、あきらめて家を手放しましょう。

5.消費者金融での借金は相続放棄しない方がいい!?

借金と一言で言っても、その種類は様々で中には消費者金融から借金をしていたということもあるでしょう。

銀行などから借りている住宅ローンなどは特に問題ならないのですが、消費者金融やカード会社からお金を借りていた場合、過払いをしていた可能性があります。

 

少し昔まで法律で定められている金利よりも高い金利で、お金を取っていた時期があります。

その時期にお金を返済していた場合、必要以上にお金を返済しているので、それを取り返すことができるのです。

これは借主がなくなっている場合でも、遺産を受け継いでいるのであれば、取り返すことができます。

場合によっては、数百万円近くの過払いをしていることもあるので、これは無視できません。

 

なので、消費者金融からお金を借りている場合には安易に相続放棄をしない方がいいのです。

本人がいない場合、過払いが発生しているかどうかの判断は難しくなるので、一度弁護士に相談することをお勧めします。

相続放棄までの期間も3か月と短いので、てきぱきと手続きを進めましょう。

>>相続問題に強い弁護士に相談するならこちらから

6.離婚している場合、配偶者は相続放棄の必要なし?子供はどうなる?

離婚をしている場合、配偶者には相続の権利はありません。

しかし、親権がどちらにあるか関係なく、子供には相続権があります。

例え離婚していたとしても、子供にとって親は親ですからね。血のつながりは強力です。

 

ここで、元夫が借金500万円を抱えた状態で亡くなったケースを考えてみましょう。

元夫には妻と子供2人がいたとします。

この場合、妻は離婚しているので、相続権がなく、500万円の借金を背負うことはありません。

しかし、妻が親権を取っている子供2人には相続権があるので、250万円ずつの借金を背負うことになります。

借金しかなければ、子供に相続放棄させることで、借金を背負うことはなくなるので安心してください。

 

この時、問題となってくるのが、子供が未成年だった場合です。

未成年だと、特別代理人を選定して相続放棄をすることになります。

離婚しているのであれば、母親が特別代理人になることはできますが、一人の特別代理人にしかなれません。

2人の未成年の子供がいる場合には、別の人に頼む必要があります。

特別代理人は「相続権がないこと」が前提となっているので、相続権のない親戚に頼むのも一つの手ですが、専門的な知識のある弁護士に依頼すると相続問題で悩むことがなくなりますよ。

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7.相続放棄をしたいが遺族年金はどうなるの?

多額の借金を抱えた状態で亡くなった場合、相続放棄を選択すると思いますが、遺族年金の扱いはどうなるのか?

これは生命保険と似たようなもので、死亡して初めて発生するお金なので、遺産扱いされません。

なので、相続放棄をしたとしても、遺族年金はもらうことができます。

もちろん遺族年金をもらうにあたっての条件、収入要件や生計同一要件などを満たしている場合しかもらうことができないので注意してください。

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