- 【名前】黒澤 広一
- 【性別】男
- 【年齢】35歳
- 【職業】会社経営
- 【住んでいる場所】東京都足立区
- 【借金額】450万円
- 【どこからお金を借りたか】ダイレクトワン、楽天カード、三菱東京UFJ銀行、セゾンカード、オリックス、エディオンカード、JA共済
- 【借金の理由】開業資金と運転資金
貯金もないまま創業に失敗して多重債務者に。任意整理で返済中
私にはぜんそくの持病があります。妻は東証一部上場企業に勤めていたのですが、30歳を過ぎたころ、うつ病になってしまいました。
妻と同じ歳の私は当時小さな広告代理店で働いていて、一つ営業所をまかされていたのですが、妻のためにもなるべく一緒にいて上げられるようにと願い、独立開業を決意したのです。
勤務先は広告代理店とはいっても、よくあるファックスによるダイレクトメールを大量に送付するのが勤務先での主な仕事でしたので、この顧客データを持ち出せば独立するのも簡単だ、と髙をくくっていたのです。
適当なウェブサイトをつくってPPC広告を打ち、新規の依頼を集めればよく、ファックスの送信や集金はルーチンワークでいい、と。
それで社長になれば、年収1000万円は堅いと自分の雇い主を見て思っていました。
大学を出て一流企業に入った妻にはコンプレックスもあり、社長になって見返してやろうと考えていたのです。
いま思えば、世の中をなめていました。
ともあれ開業を決めた私には、実はほとんど蓄えはありませんでした。
以前も個人事業主としてアダルトグッズの販売をするウェブサイトを持ったりしましたが、飽きっぽいこともあって長続きしなかったのです。
そのときに買い込んだ商品の代金も、楽天カードのリボ払いのまま数十万円ほど支払いが残っていましたので、はっきりいえば借金を持った状態での独立開業ということになったのです。
反対する妻にも100万円ほど貯金を出させたので、まず株式会社を一つ作って登記をし、レンタルオフィスを借りるところまではできました。
会社の設立やオフィスを借りるときの保証金は現金で支払わなければなりませんから、どうしても70万円程度の現金は必要だったのです。
会社を作り、事務所を借りたところでほぼ現金を使い果たしたのですが、そろえなければならないものは実にたくさんありました。
業務用のファクス複合機やパソコンのような備品もそうですし、自社のウェブサイトもそうです。
これらのほとんどは、実はリースやクレジットカードのショッピング利用でまかなうことができるのです。
事務機器は妻を保証人にしてリースで揃え、クレジットカードを使ってウェブサイトも作りました。
当時もっていた楽天カードとセゾンカードだけで100万円ずつのショッピング枠を持っていたのでいい気になってショッピング利用してはリボ払いに替えているうちに、ショッピング枠の残高150万円を超えました。
開業すると決めてから、わずか2ヶ月のことです。
少し心細くなった私は、さらにキャッシング専用のカードを持とうと決めました。
50万円ずつ2社で銀行系のローンを利用できましたが、これも生活資金とクレジットカードの支払いに使ってしまい、借り入れできなくなりました。
最後に気づいたのは生命保険を担保にお金を借りられるということだったのですが、これも結局解約せざるを得なくなったのです。
気づけば開業から半年で、債務の総額は450万円になっていました。
毎月の返済は20万円弱になり、もう新たな借り入れも返済もできない状況になったのです。
このため破産も検討しましたが、妻の意向でこれは避けなければいけない、ということになりました。
自己破産をすると官報に名前と住所が載ってしまい、専用の検索サービスを使えば過去の破産者の名前もわかるようになっているため、旦那が破産しているとわかってしまうのが嫌だと妻がいうのです。
このために選んだのは任意整理です。
依頼した弁護士には、これだけ債務があれば通常は自己破産するものだと言われましたが依頼は受けてもらえました。
一社あたり3万円が報酬で、これを最初の半年ほどで分割払いで払ったのです。
その間に、弁護士はすべての債権者と分割払いの契約をしてくれました。
今は債権者ごとに、短いところでは36回、長いところでは84回の分割払いにしてもらい、毎月大体7万円くらいを返済しています。
意地や見栄で開業してもろくなことがないと、そう思っています。
管理人からのコメント
貯金がない状態で起業を志すのはある意味すごいと思います。
個人的には絶対にまねできないことですね。
ただ、事業はうまくいかなかったようで、借金があっという間に増えてしまったようですね。
クレジットカードのキャッシングを使って450万円という借金があるのであれば、普通は自己破産ですね、
やっぱり金利が高いので、返済することは相当難しいです。
官報に情報が載るのが嫌とのことですが、普通の人はそんなのを見ません。
むしろ存在を知らない人の方が多いのではないでしょうか。
なので、あまり官報に情報が載ることを嫌がらない方がいいと個人的には思います。
辛い返済をするよりも、すっきりと借金を0にして、人生をやり直した方が、より充実した人生になりやすいです。
どんな借金の整理をするかは状況によって違うので、借金の返済に困っている場合は、弁護士に相談をするのがいいでしょう。
きっとあなたに最適な借金返済方法を教えてくれますよ。