- 【名前】高坂
- 【性別】男性
- 【年齢】40歳
- 【職業】フリーランスデザイナー
- 【住んでいる場所】東京都渋谷区
- 【借金額】1200万
- 【どこからお金を借りたか】西武信用金庫、かつての職場
- 【借金の理由】事業の立ち上げとその後の運転資金
- 【何を滞納したのか】滞納はしていない
西武信用金庫の借金返済体験談【1200万円・東京都】
30代までは企業デザイナーとして働いていた私は40を目の前にして独立を決意、一応円満退社でフリーランスに転身しました。
職種は細かく言えばアパレル雑貨の企画中心でしたが、前職の経歴と販売ルートを利用して企画の仕事とは別にプライベートブランドを設立しました。
とは言えそれほど貯蓄があったわけではありませんでしたので、立ち上げ時点ではおよそ300万の資金しかありませんでした。
それに加え、企画での契約はまだスポットの仕事のみで金額も小額でしたから、事務所は借りずに自宅で仕事という自転車操業でのスタートです。
ある程度の売り上げを期待してのオリジナルブランド、いろんなツテで人を集め展示会を開催することになりました。
ところが最初の展示会で運良く大手のセレクトショップ数件の発注を取り付けることに成功し、出足は思いのほか順調な始まりでした。
しかしある程度売り上げが増えてくると、今度は生産背景の支払い額が急激に増えて行きます。
基本的に末締めの翌月末払いという工場や職人がほとんどですので、上手に納品日と支払日、そして取引先のセレクトショップへの出荷や締め日の設定を調整することによって潤滑にお金を動かすことができると踏んでいたのですが、ある大手セレクトの支払い条件が一定の金額を超えてしまうと、月を分けて支払いするところと手形を切ってくるところが出て来ました。
手形は確か180日、つまり半年で、しかも高額の決済ですから個人レベルで動いている私が工場などに支払いするのはまず不可能な設定です。
※管理人による補足
大手からの支払いが遅れることで、自分の手持ちのお金が少なくなります。すると、工場へ支払うお金が足りなくなり仕事が進められなくなるということです。つまり、資金繰りがうまくいっていないということですね。
さすがに困って交渉はしてみたものの、ほとんどの取引業者はそれに従っているとのことで良い返事は貰えませんでした。
そこで考えたのは借入で凌ごうということだったのですが、多少の額はかつての職場の取り計らいで立て替え業務として受けてくれることになりました。
当然利息付きですが、身元がはっきりしているのと歴史ある企業であるので安心感がありますし、その名義で支払いすることで個人では口座開設できない企業との取引もさほど問題なく可能になるというメリットがありました。
ただその一件だけでは支払い金額には及ばず、現にその会社にも追って返済しなければならないのでどちらにせよお金を用意しなければなりません。
国民金融公庫(当時すでに日本政策金融公庫)か何かでと思い相談に行きましたが、初めての機関からの借入ということもあり上手く話を進められません。
日を改め区役所に相談、結局は区を通して西武信用金庫への融資申請となりました。
運転資金という名目で面接、そして信用保証協会の審査、それが下りれば西武信金から借りられるという段取りです。
しかしその信用保証協会でいくつか企画書にチェックが入り、希望した額のほぼ3分の1程度の融資、ちょっと納得が行かなかったものの選択の余地はありません。
銀行と相談し、まず初回その額で実績を作ってからさらに追加融資をという計画に切り換えました。
そしてそれから2年後、今度は伸びていた売り上げの急激な減少で資金調達を強いられることになります。
同時に立て替え業務をお願いしていた前職場がまさかの事業縮小、立て替えの限度額がさらに厳しくなってしまいました。
融資された当初は単なる資金を増やすための追加融資のつもりでしたが、実際は火の車ですから緊急運転資金という名目に該当します。
赤字経営の事業主を対象にしているわけですから、立ち上げ当初に比べると面接もシビアです。
結局その段階でおよそ800万ほど必要でしたが、結果200万程度の承認しか下りず、それでも無いよりはマシと借りることになったわけです。
ですが一度傾いた業績はその後回復することはありませんでした。
ブランドは泣く泣くたたむことにし、企画の依頼があった時だけ受けるOEMの仕事のみ、また時代背景として中国での生産が主流のトレンドでしたから国内生産で客が多く集められるわけもなくほとんど機能しなくなって行きました。
最終的に銀行と支払いの立て替えとの合計が一時1200万ほどまで行きました。
そしてその半分以上は返済し終わりましたが、まだ今でも継続して毎月支払いに追われています。
現在はまったく別業種で契約社員、その給料から返済しているのですが時々カードローンの助けを借りないと足りないほどですから生活は非常に苦しいですね。
自己破産も考えましたがお世話になった前職場への体裁もあり、細々と返しています。
まだ数年は掛かりますが頑張る他ありませんね。
借りたことに後悔はありませんが、もう少し良いタイミングがあったんじゃないかという思いは多少あります。
管理人からのコメント
自営業の方で借金をするというのは、普通なのですが、資金繰りが悪化したり、売り上げが少なかったりすると問題ですよね。
また、自営業となると借金額も大きくなるので、そう簡単に返済することができません。
この方は、お世話になった会社のために自己破産をしていませんが、普通であれば自己破産をするような借金額です。
自己破産というとイメージが悪いですが、国に認められていることなので、あまり後ろめたさを感じる必要はないと思っています。
それよりも人生を再スタートさせて、世の中に貢献をしていく方が大事なことでしょう。